2024 年 11 月 9 日発行の新聞『被団協』493 号の内容をご紹介します。

日本被団協 ノーベル平和賞受賞

2024年10月11日は、私たち日本被団協の構成団体として忘れられない日となるでしょう。
私たち4人は、東京での日本被団協・全国代表者会議を終え、長崎に戻る航空機のテレビモニターの画面で、ノーベル賞委員会が今年のノーベル平和賞を日本被団協へ授与すると発表しました。
私は思わず「やった!」と叫び、4人で手を取り合い、喜びをかみしめました。 

1985年、ノミネートされて以降、度々有力候補として報じられ、期待され、2017年に核兵器禁止条約が採択されたとき、受賞するのではと期待しましたが、それ以降はあきらめていました。
その後も、日本被団協と各県の被爆者団体は、多くのNGOとともに日本政府に核兵器禁止条約への批准を求める署名活動や、禁止条約の普遍化に努め、核兵器も戦争もない世界の実現を目指して運動を進めてきました。
ノーベル委員会が受賞の理由を述べたとき、日本被団協の組織と活動を正確にとらえ、理解し、評価されていることに大変感動しました。
これまで、核廃絶運動を行ってきたすべての皆さんと、すでに亡くなられた多くの先達に感謝し、喜びを共にしたいと思います。

日本被団協が受賞できたのは、79年前、原子爆弾の非人道的な生き地獄を体験し、自分たちと同じ苦しみを地球上の誰にも味合わせてならないと、今日まで一貫して「核兵器なくせ」「戦争するな」を求めて、自らの苦しい体験の証言を通して、国の内外に訴え続けてきた活動が高く評価されたものです。
現在、ロシアによるウクライナ侵略、中東ガザ地区の紛争は激化しています。現実に核兵器が使用されかねない危険が高まっています。

被爆者がいなくなる時代が近づいています。
「核兵器なくせ」「戦争するな」の運動を継承し、多くの若者が行動に参加し、地球市民が核保有国を包囲して、核廃絶を迫りましょう。

(日本被団協代表委員・長崎被災協会長 田中重光)

▲多くの方、団体より お祝いをいただきました

10月23日には、長崎県庁、長崎市役所を訪問しました。

10月23日長崎市長・市議会議長面談

長崎市役所では、お祝いのメッセージが壁に映し出されていました。


かけがえのない被爆者の声

私は10月9日から11日、日本被団協の二世委員として全国代表者会議及び国会要請行動に参加、帰路の飛行機の中でノーベル平和賞受賞を知って大変驚きました。同じ飛行機に乗った長崎被災協の田中重光さんや溝浦勝さん、横山照子さんと近くの席にいたので場所はばからず喜びあいました。
長崎被災協の記者会見では、沢山のマスコミ関係や被爆者に迎えられ、「よかったね、これでまた頑張れるね」と長年共にした被爆者らが抱き合い喜ぶ姿、被爆から79年、被爆者運動の先人達のことに話が及ぶと絶句し涙する被爆者の姿、そして被爆者の願いである核兵器のない世界へノーベル平和賞受賞を機にさらに奮闘したいと決意する被爆者の姿を目の当たりにしました。歴史的な場面に立ち会うことが出来,感動しました。
翌日、ノーベル委員会発表の受賞理由は被爆者や私たちの運動への大きな期待も強く感じられるものでした。
受賞発表後なぜか私にも「よかったですね、おめでとう」と声かけてくれる人。そして「良かっただけじゃすまなくなりますね」とも。「核兵器と人類は共存できない」と原爆被害の実相を語り、被爆の苦しみを訴える活動を長い間草の根の活動として努力してきたことが、核兵器が二度と使用されてはならない規範「核タブー」の確立に貢献し、80年近くの間、戦争で核兵器が使用されることはなかったことが受賞理由です。まさに被爆者の願いそのものです。そしていま世界にとって重要なことは、被爆80年を前に被爆者の命の訴えが拡げてきた「核タブー」が圧力を受け、世界が核破局の「瀬戸際」ともいえる状況にあるという指摘も大事だと思いました。
私は「日本被団協」ノーベル平和賞受賞を機に、被爆者の歓迎の言葉や決意から学び、その思いを共有し、被爆者の願いである「再び被爆者をつくらないために」、まず世界の到達である核兵器禁止条約に日本が参加することを求める機運を大きくするよう努力したいと思います。

(長崎被災協・被爆二世の会・長崎 佐藤澄人)


お寄せいただいたメッセージ

このたび、「日本原水爆被害者団体協議会」の長年の地道な取り組みに対して、ノーベル平和賞の授与が決定したことに、被爆地である長崎市議会を代表しまして、心よりお祝いを申し上げます。日本原水爆被害者団体協議会は1956年8月に結成されてから、今日まで長きにわたり、「核兵器や戦争のない世界」に向けて取り組んでこられたことが、世界中に認められたものであり、深く敬意を表します。
今回の受賞が、核兵器廃絶に向けた取り組みへの大きな契機となることを期待しています。
(長崎市議会議長 岩永敏博様)

 

この度のノーベル平和賞のご授賞、誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。1965年の結成以来、68年の長きにわたり、被爆の実相を世界に訴え続け、核兵器廃絶に向けた運動を長年牽引してこられたことに対して、心より敬意を表します。
また、被爆体験の伝承を先導し、後遺症に苦しむ被爆者の救済に取り組んでこられた功績は、非常に大きいと考えます。長崎県生協連としても、引き続き被爆者の皆さんに寄り添い、平和の継承と核兵器廃絶に向けた取り組みを推進してまいります、この度は本当におめでとうございます。今後ともよろしくお願い申し上げます。
(長崎県生協連 会長理事 本田 稔様)

 

日本被団協のノーベル平和賞受賞おめでとうございます。被爆者の皆様方が、平和を願う人々と共に、長年にわたり被爆の実相を伝え、核兵器廃絶を訴えてきたことについて、今回ノーベル賞受賞という形で世界的に評価されてきたことは、素晴らしいことであり、その受賞は、核兵器を保有する国々や核兵器抑止を信奉する国々を縛ることにつながると思います。
核兵器をめぐる情勢は今なお厳しいものがありますが、これを機に、改めて核兵器のない世界の実現に向けて、力を合わせ、呼びかけてまいりましょう。
(園田鉄美様)

 

ノーベル平和賞受賞、本当におめでとうございます!
私も涙しながらテレビにくぎづけになりました。
皆様の長年にわたるご活動が受賞の花を咲かせたことに、心からお祝い申し上げます。
渡辺千恵子さん、山田さん、谷口さん、山口さん、西山進さん、片岡ツヨさん、池田早苗さん・・たくさんの方々のお顔が浮かびます。
記者会見で和田征子さんが「これはチャンス」とお話されていましたが、戦禍が広がる世界にこそ、被爆地からの声は実感を持って伝え続けられなければならないのだと、あらためて感じました。
(西岡由香様)


▲西岡さんから寄せられた お祝いのイラスト


日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名 

今こそ、日本政府に、核兵器の禁止から廃絶へ
核兵器禁止条約に署名・批准し、世界の先頭に立ちましょう。
署名用紙はコチラからダウンロードいただけます。
長崎被災協事務所にお持ちいただくか、ご面倒ですが郵送にて送付をお願いいたします。
〆切 12月20日(土)


10月の事務局

2 日(水) 平和公園問題市民連絡会 被爆遺構見学会
6 日(日) 二世の会・長崎 理事会
9 日(水)~
10 日(木)
被団協全国都道府県代表者会議・中央行動(田中、横山、溝浦、佐藤、大宮)
11 日(金) 中央行動(田中、横山、溝浦、佐藤)
11 日(金) 日本被団協ノーベル平和賞受賞記者会見(被災協二階)
12 日(土) 故渡辺千恵子氏墓参 受賞報告
13 日(日) 故谷口 稜曄氏 墓参 受賞報告
15 日(火) カメルーン大使来訪
16 日(水) 記念事業プロジェクト会議
ノーベル平和賞受賞横断幕設置
18 日(金) 原対協理事長来訪
21 日(月) 大村のつどい
22 日(火) 記念誌編集委員会・世界広報プロジェクト
23 日(水) 長崎県知事・県議会議長/長崎市長・市議会議長訪問(田中、森田、横山、溝浦、柿田、畠山)
30 日(水) 安保法制学習会(横山)

 

11月の予定

3 日(日) 伊藤千尋講演会(被災協講堂)・三役会議
二世の会・長崎、諫早 交流会
6 日(水) 被団協代表理事会 オンライン(田中、横山)
9 日(土) 医療と福祉を考える長崎懇談会 総会(柿田)
11 日(月) ICANティム・ライト氏
12 日(火) 核兵器禁止条約の会・長崎 事務局会議
13 日(水) 世界広報プロジェクト会議
16 日(土) 浦上川緑地帯花植え
18 日(月) 長崎原爆資料館審議会(田中)
22 日(金) 記念誌編集委員会
23 日(土)~
24 日(日)
地球市民フェス2024
26 日(火) 長崎新聞文化章贈呈式(田中、横山、柿田)
29 日(金) 長崎被災協 第3回理事会
30 日(土) 被爆二世の会・長崎 インカニャンコンサート